JOURNAL
舌が白いと口臭の原因になる? 舌のケアと、口臭の本当の原因について
こんにちは。
THE DENTAL歯科衛生士の廣島です。
暑い日が続くと、朝起きた時のお口のねばつきや、口臭が気になる方もいらっしゃると思います。
特にマスクを外す機会が増えたり、人と近い距離で話す場面があると、
「自分の口臭は大丈夫かな」
「舌が白いのが気になる」
「舌ブラシをしているのに、まだにおう気がする」
と不安になる方も少なくありません。
今回は、患者さんからご相談をいただくことの多い「舌の汚れ」と「口臭」についてお話しします。
舌が白っぽく見えることがあります。
これは「舌苔」と呼ばれるもので、舌の表面に細菌や食べかす、粘膜のはがれたものなどが付着した状態です。
舌苔は、口臭の原因のひとつになることがあります。
そのため、舌ブラシや舌クリーナーを使ってケアをされている方も多いと思います。
ただ、ここで大切なのは、
「舌が白い=必ず強い口臭の原因」
というわけではないということです。
実際にお口の中を見ていると、舌をきれいにお掃除している方でも、口臭が気になるとおっしゃることがあります。
反対に、舌に少し白さがあっても、そこまで強い口臭につながっていない方もいます。
つまり、口臭は舌だけで判断できるものではありません。
口臭の原因には、いくつかの種類があります。
代表的なものとしては、舌の汚れ、歯周病、歯石、虫歯、食べ物、喫煙、胃腸の不調などがあります。
特に歯科医院でよく関係しているのが、歯周病です。
歯周病が進んでいる場所では、歯ぐきに炎症が起きています。
歯ぐきから血が出やすくなったり、歯石がたまっていたり、歯ぐきの中に汚れが入り込んでいることがあります。
その汚れの中には、たくさんの細菌がいます。
この細菌が出すにおいが、口臭の原因になることがあります。
そのため、舌ブラシを毎日していても、歯周病や歯石が残っていると、口臭がなかなか改善しないことがあります。
患者さんの中には、
「舌は毎日磨いているのに、家族から口臭を指摘される」
「朝起きた時ににおいが気になる」
「コーヒーやタバコの後に気になる」
という方もいらっしゃいます。
まず、朝起きた時の口臭は、多くの方に起こります。
寝ている間は唾液の量が減り、お口の中の細菌が増えやすくなるためです。
これはある程度自然なことです。
起床後に歯磨きやうがいをすることで落ち着くことも多いです。
ただし、日中も強く気になる場合や、歯ぐきから出血がある場合、歯石が多い場合、歯ぐきが腫れている場合は、舌だけではなく歯周病のチェックも必要です。
舌のお掃除自体は、決して悪いことではありません。
むしろ、やさしく正しく行えば、お口の中を清潔に保つために役立ちます。
舌ブラシを使う時のポイントは、奥から手前にやさしく動かすことです。
手前から奥にこすったり、強い力で何度もこすったりする必要はありません。
舌の表面はとてもデリケートです。
強くこすりすぎると、舌の表面を傷つけてしまい、ヒリヒリしたり、出血したりすることがあります。
「しっかり取らないとにおいが残る気がする」
と思って、つい強くこすりたくなる方もいると思います。
ですが、血が出るほどこするのはやりすぎです。
舌ブラシは、1日1回程度で十分なことが多いです。
朝の歯磨きの時などに、やさしく数回なでるくらいで大丈夫です。
金属製の舌クリーナーを使用されている方もいますが、こちらも強く押し当てすぎないことが大切です。
器具そのものが悪いわけではありませんが、使い方によっては舌を傷つけてしまうことがあります。
舌の汚れが気になる時は、まず鏡で確認してみてください。
全体がうっすら白い程度であれば、必ずしも異常とは限りません。
ただ、厚く白い苔のようについている、舌が痛い、赤くただれている、なかなか改善しない、口臭が強く気になるという場合は、一度歯科医院で相談してみると安心です。
また、口臭が気になる場合は、舌だけでなく歯ぐきの検査も大切です。
歯周病の検査では、歯ぐきの溝の深さを測ります。
健康な状態では1〜3mm程度ですが、4mm以上になると歯周病が始まっている可能性があります。
6mm、7mmと深くなっている場所では、歯を支える骨が下がっていることもあります。
歯周病が進んでいる場所では、歯ぐきの中に歯石が入り込んでいることがあります。
この歯石は歯ブラシでは取れません。
歯ぐきの上に見えている歯石だけでなく、歯ぐきの中に隠れている硬い歯石を、専用の器具で少しずつ取り除いていく必要があります。
これを行うことで、歯ぐきの炎症が落ち着き、出血が減り、結果的に口臭の改善につながることがあります。
ただし、歯周病は一度進行してしまうと、完全に元通りに戻すことが難しい病気です。
そのため、治療の目的は「完全になかったことにする」というよりも、これ以上悪くならないように整えていくことです。
歯ぐきの状態が落ち着いてくると、腫れていた歯ぐきが引き締まります。
その結果、歯が少し長く見えるように感じることがあります。
これは歯ぐきを削ったからではありません。
炎症で腫れていた歯ぐきが、本来の状態に近づいて引き締まることで起こる変化です。
舌のケアも大切ですが、口臭を本当に改善したい場合は、お口全体を見ることが必要です。
舌。
歯ぐき。
歯石。
虫歯。
詰め物や被せ物の隙間。
歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい場所。
喫煙や食生活。
胃腸の状態。
こういったものが複雑に関係しています。
そのため、口臭が気になる方は、舌だけを一生懸命こするのではなく、まず歯科医院でお口全体をチェックすることをおすすめします。
THE DENTALでは、舌の状態だけでなく、歯ぐきの検査、歯石の付着、虫歯、詰め物や被せ物の状態などを確認しながら、口臭の原因になりそうな部分を一緒に見ていきます。
必要に応じて、歯磨きの仕方やフロスの使い方、舌ブラシの使い方も確認します。
「自分では毎日磨いているつもり」でも、汚れが残りやすい場所は人によって違います。
だからこそ、染め出しをして、どこに汚れが残っているかを一緒に確認することも大切です。
舌の白さや口臭は、人に相談しづらい悩みかもしれません。
でも、歯科医院ではとてもよくあるご相談です。
気になって強く磨きすぎてしまう前に、まずは今のお口の状態を確認してみましょう。
舌はやさしく。
歯ぐきは定期的に。
歯石は歯科医院でしっかりと。
この3つを意識することで、お口の中は少しずつ整っていきます。
口臭が気になる方、舌の汚れが気になる方、しばらくクリーニングを受けていない方は、一度ご相談ください。
お口全体の状態を確認しながら、無理のないケア方法を一緒に考えていきます。











