JOURNAL
「ビフォーアフター」だけでは伝わらないこと
本当に大切なのはその間の治療です
こんにちは。
池尻大橋の歯科医院「THE DENTAL」歯科助手の雛田です。
6月に入り、少しずつ湿度も上がり、体調だけでなくお口の環境も変化しやすい時期になってきました。こういう時期こそ、普段は気づきにくいトラブルが表面化することもあります。
さて今回は、少し視点を変えて
「歯科の症例写真」についてお話ししたいと思います。
■ ビフォーアフターは結果しか見えない
歯科医院のホームページやSNSを見ていると、よく目にするのが「ビフォーアフター」の写真です。
・治療前
・治療後(セラミックや被せ物が入った状態)
たしかに、仕上がりの美しさはとても大切です。
患者様にとっても、「こうなるんだ」という安心材料になります。
ただ、ここで一つ考えていただきたいのが
その間、何が行われているのか?
という点です。
実は、歯科治療で最も重要なのは“完成形”ではなく、
そこに至るまでのプロセスにあります。
■ 見えなくなる「削った範囲」と「深さ」
被せ物が入ってしまえば、当然その下は見えなくなります。
・どこまで削ったのか
・どれくらい虫歯が広がっていたのか
・神経にどれくらい近かったのか
こういった情報は、完成写真からは一切読み取れません。
でも実際には、この部分こそが
歯の寿命を左右する最も重要なポイントです。
■ 実際の症例で見る「治療の途中」
今回ご紹介するのは、奥歯の虫歯治療の症例です。
【削り始め】
中央に白い樹脂(過去の治療跡)があり、
その周囲、特に奥(遠心側)に虫歯が広がっています。
この時点では、「見た目以上に進行している」ことがわかります。
【虫歯の進行が明確に】
削り進めると、中央と奥の両方に
大きな虫歯が存在していることが確認できます。
表面だけでは判断できない典型的なケースです。
【段階的に除去】
手前側はきれいに取り切れていますが、
奥側にはまだ虫歯が残っています。
ここで大切なのは、一気に削らないこと。
必要なところだけを、見極めながら丁寧に除去していきます。
【虫歯除去完了】
すべての虫歯を取り切った状態です。
ここで注目していただきたいのが、
外形(削る範囲)はほとんど変わっていないという点です。
つまり
最小限の範囲で、ピンポイントに治療している
ということです。
【MTAセメントで保護】
深い部分には、
キャビオスMTA
を使用しています。
この材料は、神経を保護しながら回復を促す働きがあり、
「神経を残せる可能性」を高める重要な役割を持っています。
■ 見た目よりも「中身」が重要
最終的にはこの上にセラミックを装着します。
外から見れば、どの医院で治療しても
「きれいな歯」に見えるかもしれません。
しかし
中の処置が適切かどうかで、
その歯が
・数年でダメになるのか
・長く機能するのか
が大きく変わります。
■ なぜ奥歯の治療が最も重要なのか
もう一つ、ぜひ知っていただきたいことがあります。
それは
奥歯こそが、最も重要な歯であるということです。
よくあるのが、
「奥歯は見えないから銀歯でいいです」
という考え方。
気持ちはとてもよくわかります。
ですが実際には逆で、
・前歯は治療の選択肢が多い
・奥歯は失うと回復が難しい
という特徴があります。
極端に言えば、
前歯は後からいくらでも対応できますが、
奥歯がなければ噛む機能そのものが成立しません。
「見えない部分にこそ価値がある」
見えないからこそ、手を抜くのではなく
見えないからこそ、丁寧に仕上げる
これが、長く使える歯をつくるための考え方です。
見た目だけを整えるのは、いわば“蓋をする”ようなもの。
中が整っていなければ、いずれ問題が起きます。
■ THE DENTALが大切にしていること
当院では、
・ビフォーアフターだけでなく
・治療の途中経過も記録し
・患者様にも共有する
ことを大切にしています。
「どれだけ削ったか」ではなく
「どれだけ残せたか」
これが本当の意味での良い治療だと考えています。
■ まとめ
歯科治療は、完成形だけでは評価できません。
本当に大切なのは、
・どのように削り
・どこまで守り
・どう仕上げたか
という見えない工程です。
もしこれから歯科治療を受ける際には、
ぜひそのプロセスにも注目してみてください。
それが、将来の歯の寿命を大きく左右します。
池尻大橋で歯科医院をお探しの方へ。
当院では、見た目だけでなく機能と長期予後を重視した治療をご提案しています。
ご相談・ご予約はお気軽にどうぞ。
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