JOURNAL
甘い物と虫歯の関係
皆様こんにちは。歯科衛生士の八田です。
本日は「甘いものを食べると虫歯になりやすい理由」についてお伝えします。
「甘いものを食べてばかりいると虫歯になる」と皆様も一度はそう教わった経験があると思います。
しかし、そう教わったことがあってもその理由まで教わった方は少ないのではないでしょうか。確かに甘いものを食べると虫歯になりやすくなりますが、もちろんそれには理由があるため、ここで改めてその理由を知っておき、小さな子供がいる方は特にそのことを知っておきましょう。
虫歯菌の働きとエネルギー
私達は普段仕事をしていますが、仕事のはかどり方、つまり仕事量は常に一定というわけではありません。空腹時、疲労時は仕事量が落ちてしまい、解消するには食事や休息によるエネルギーの補給が必要です。逆に言えば、エネルギーが充分であれば多くの仕事量をこなすことができるわけです。
そして、これは虫歯菌にも言えることです。虫歯菌にとっての仕事は酸を出すことで、虫歯菌の出す酸によって歯は溶かされて虫歯になります。このため虫歯菌がエネルギーで満たされ、働きが活発になることでより多くの酸を出すようになるのです。
では虫歯菌にとってのエネルギーとは何か?…それが糖なのです。糖は甘いものに多く含まれているため、甘いものを食べることは虫歯菌に糖を与えることになり、糖を得た虫歯菌は多くの酸を出し、そのため虫歯になりやすくなってしまうのです。
「甘いもの」ではなく「糖」の認識が必要
甘いものを食べると虫歯になりやすいと言われるのは、甘いものには糖が含まれるからです。では、甘いものでなければいくら摂取しても虫歯になりやすくはならないのでしょうか?
それは違います。甘いというのはあくまで味覚の問題ですから、例え甘くなくても糖が含まれているものはいくらでもあります。
例えばミントのガムやアメ、これらは味覚としてはスッとしているため、中には口臭予防のために常用している方もいるでしょう。しかしこれらのガムやアメにも糖が含まれているものは多く、多量の摂取は虫歯になりやすくなります。
ですから、「甘いものを食べると虫歯になりやすい」ではなく、「糖が含まれるものを食べると虫歯になりやすい」と認識した方が良いでしょう。フルーツのアメは甘いから虫歯になるけどミントのアメなら虫歯にならないというわけではないのです。
虫歯になりにくい食事の仕方
糖の摂取を控えれば、それだけで虫歯になりにくくなるとは言えません。食事に関して言えば、食事の仕方自体で虫歯になりやすくもなりにくくもなるからです。例えば、「よく噛まない」や「ダラダラ食い」は糖の摂取と関係なく虫歯になりやすくなります。
噛まければ唾液の分泌量が低下しますし、唾液の分泌量が低下すれば細菌が流れにくくなります。またダラダラ食いは食事の時間が長くなり、歯の再石灰化が正常に行われず脱灰だけ進んでしまいます。虫歯を予防するには糖の摂取だけにこだわるのではなく、食生活そのものの見直しが必要です。
もちろん、どれだけ模範的な食生活を送ってもケアが不充分だと虫歯になってしまいます。確かに糖は虫歯になるリスクを高めますが、あくまでそれは虫歯菌の働きを活発にさせるという意味であり、例え糖を摂取しなくてもプラークは付着しますし、虫歯になる可能性は常にあるのです。
歯磨きの効果を高める方法
虫歯予防のケアとして最も重要であり基本となるのが毎日の歯磨きです。そして、効果的な歯磨きをする上で大切なのは回数や頻度ではなく精度です。多くのプラークを除去する効率の良い歯磨きをしなければ、虫歯の予防は難しくなるのです。そこで、多くのプラークを除去する精密な歯磨きができる3つの方法をお伝えします。
デンタルフロスを使う
あくまで磨き方次第ですが、ブラッシングだけの歯磨きではプラークの除去率は約6割とされています。デンタルフロスを使うことでプラークの除去率が約8割まで高まります。
ブラッシング指導を受ける
定期検診や予防歯科では、治療メニューの1つに「ブラッシング指導」があります。この指導を受けることで自分の歯並びに合った効率の良い歯磨きの仕方が分かります。
プラークチェッカーを使う
プラークチェッカーを使えば磨き残したプラークを染色し、目に見える状態にできます。このため磨き残しを確実になくせますし、数日続けて使用すれば自分の歯磨きの弱点も分かります。
まとめ
いかがでしたか?
これらのことから、甘いものを食べると虫歯になりやすい理由について分かります。甘いものには糖が含まれており、糖は虫歯菌にとってエネルギーになります。このため糖を摂取することは虫歯菌にエネルギーを与えることになり、虫歯菌の働きを活発にさせてしまうのです。これが、甘いものを食べると虫歯になりやすい理由です。
皆様が精度の高いセルフケアが行えるよう、私たちが全力でサポートさせていただきます。
些細なことでもお気軽にご相談ください。