2022.07.10 診療コラム

フッ素の働き

こんにちは歯科衛生士の松本です。

みなさんフッ素の働きはご存じですか??

虫歯イコールフッ素というイメージだと思います。フッ素についてお話しします。

フッ素とは?

フッ素はカルシウムやカリウム、ナトリウム・鉄のように体内に存在している物質で、一般的な成人で約2.6g程度のフッ素が体内に存在していると言われています。
歯の主成分はハイドロキシアパタイトというもので、フッ素が働くと酸に対して安定した結晶を持つ「フルオロアパタイト」という物質を生成します。
ハイドロキシアパタイトはむし歯菌の作り出す酸によって溶けることでむし歯になりますが、このフルオロアパタタイトが加わることで、酸に溶けにくくむし歯になりにくい歯へと変貌していきます。

かいつまんでいうと、フッ素の作用でバリアを作るということです。更に、歯垢中の細菌の代謝作用の抑制によりむし歯の原因である酸産生を抑制する作用もありますので、むし歯菌に対して二段構えの予防が可能になるということです。
フッ素は歯をむし歯から守りますフッ素は意外にも身近な所に存在しています。有名な所でいうと、歯磨き粉「フッ素配合」という表記やCMは誰もがご覧になられたことがあるのではないでしょうか。その他にも食卓塩や水道水(人為的に入れています)、土地によっては井戸水にもフッ素は含まれています。ですからフッ素は気づかないうちに、ほぼ毎日摂取していると言っても過言ではありません。
しかし、これらによって劇的にむし歯を予防できるかというとそうではりません。フッ素を効率よく歯に浸透させようと思うなら、歯科医院でのフッ素塗布が適切です。初期のむし歯はエナメル質(歯の一番外側の部分)の表層より少し下側から始まり、歯の表面に白い斑点のような状態となります。実はその下ではむし歯がどんどん進行して歯の内部に空洞ができ、外圧によって表層部分穴があくことで皆さんが知る「むし歯の状態」になります。しかし、表層のエナメル質が残っている初期のむし歯のときは、唾液に含まれるフッ素により再石灰化が促進されます。再石灰化が進むと、初期の小さなむし歯は削ることなく修復します。当院では、予防的観点から行うフッ素塗布の他に、初期虫歯の経過観察時に再石灰化を促す高濃度のフッ素を塗布することで、歯を削らない治療に役立てています。
フッ素はどのように働くのか3つの働きで、ムシ歯の発生と進行を防ぎます。 酸により歯から溶け出したカルシウムやリンを補うこと(再石灰化)を促進します。 歯の表面を覆うエナメル質を、酸に溶けにくい性質に変え、ムシ歯への抵抗力を高めます。 ムシ歯を引き起こす細菌の働きを弱め、酸がつくられるのを抑えます。

お子さんに定期的なフッ素塗布をおすすめします。

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