JOURNAL
「歯周病治療は“お掃除”ではありません」
〜歯ぐきの中まできれいにする理由〜
こんにちは。
THE DENTAL 歯科衛生士の廣島です。
梅雨が明け、本格的な夏が近づいてきましたね。暑くなると体調管理に気を取られがちですが、お口の健康もぜひ忘れずに気にかけていただきたい季節です。
先日、歯周病治療で通院されている患者さんのクリーニングを担当しました。
「今日は歯ぐきの中のお掃除を2回に分けて行う、その1回目です。」
そうお伝えすると、
「普通のクリーニングと何が違うんですか?」
と質問されることがあります。
実は、歯周病治療で行うクリーニングは、普段の歯石取りとは目的が少し違います。
歯周病は歯ぐきの中で進行しています
歯周病は、歯の表面だけが汚れている病気ではありません。
歯と歯ぐきの境目には「歯周ポケット」と呼ばれる溝があります。
健康な状態では浅い溝ですが、歯周病になると少しずつ深くなり、その奥に細菌や歯石が溜まってしまいます。
この部分は普段の歯磨きでは届きません。
そのため、専用の器具を使って歯ぐきの中まで丁寧にお掃除をしていきます。
一度に全部は行わない理由
「今日で全部終わらないんですか?」
という質問もよくいただきます。
歯ぐきの中のお掃除は、通常のクリーニングよりも細かい処置になります。
一度にすべて行うと、お口への負担が大きくなってしまうため、多くの場合は上下や左右に分けて進めています。
その方が一か所ずつ丁寧に処置でき、歯ぐきの回復もしやすくなります。
歯ぐきの検査も治療の大切な一歩
クリーニングの前には、歯ぐきの状態を確認する検査を行います。
ポケットの深さや出血の有無を確認することで、
- 炎症が改善しているか
- どこに磨き残しが多いか
- 治療の効果が出ているか
を判断しています。
「チクチクする検査」は少し苦手という方も多いですが、今のお口の状態を知るためには欠かせない検査です。
歯磨きは「回数」より「当て方」
診療中によくお話しするのが、歯磨きについてです。
「毎日磨いているのに汚れが残ってしまう。」
そんな方は決して少なくありません。
その原因の多くは、歯磨きをしていないからではなく、歯ブラシの当て方にあります。
ほんの少し角度が違うだけで、歯と歯ぐきの境目には汚れが残りやすくなります。
そのため当院では、
患者さんそれぞれのお口に合わせて、
「ここはこう当てると磨きやすいですよ。」
「この場所は少し角度を変えてみましょう。」
というように、一緒に確認しながらお伝えしています。
歯磨きは自己流になりやすいものだからこそ、定期的に見直すことがとても大切です。
治療は「間を空けないこと」が成功のポイント
今回担当した患者さんにもお伝えしたことがあります。
「できるだけ間を空けずに来ていただけると、歯ぐきはもっと良くなります。」
歯周病治療は、一度きれいにして終わりではありません。
治療と治療の間が長く空いてしまうと、細菌は再び増え始め、改善していた歯ぐきも元の状態に戻ってしまうことがあります。
お仕事やご家庭の都合で難しいこともあると思いますが、できる範囲で継続して通院していただくことが、お口の健康を守る一番の近道です。
歯を失ったまま放置しないことも大切です
今回の患者さんは、以前に歯が抜けた部分の治療も予定されていました。
歯がない状態を長く放置すると、その部分だけの問題では済みません。
周りの歯が傾いたり、噛み合わせが変わったりして、将来的に治療が複雑になることがあります。
「痛くないから大丈夫」ではなく、「今のうちに治しておこう」という意識が、とても大切です。
最後に
歯周病治療は、単なる歯石取りではありません。
歯ぐきの状態を確認し、歯ぐきの中をきれいにし、ご自身では落とせない汚れを取り除きながら、毎日の歯磨きも少しずつ改善していく治療です。
私たちは処置をするだけではなく、患者さん一人ひとりが長く健康なお口を維持できるよう、一緒に考えながらサポートしています。
「最近クリーニングに行けていないな。」
「歯ぐきが気になるな。」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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