2026.07.06 診療コラム

「歯周病治療は“お掃除”ではありません」

〜歯ぐきの中まできれいにする理由〜

こんにちは。
THE DENTAL 歯科衛生士の廣島です。

梅雨が明け、本格的な夏が近づいてきましたね。暑くなると体調管理に気を取られがちですが、お口の健康もぜひ忘れずに気にかけていただきたい季節です。

先日、歯周病治療で通院されている患者さんのクリーニングを担当しました。

「今日は歯ぐきの中のお掃除を2回に分けて行う、その1回目です。」

そうお伝えすると、

「普通のクリーニングと何が違うんですか?」

と質問されることがあります。

実は、歯周病治療で行うクリーニングは、普段の歯石取りとは目的が少し違います。


歯周病は歯ぐきの中で進行しています

歯周病は、歯の表面だけが汚れている病気ではありません。

歯と歯ぐきの境目には「歯周ポケット」と呼ばれる溝があります。

健康な状態では浅い溝ですが、歯周病になると少しずつ深くなり、その奥に細菌や歯石が溜まってしまいます。

この部分は普段の歯磨きでは届きません。

そのため、専用の器具を使って歯ぐきの中まで丁寧にお掃除をしていきます。


一度に全部は行わない理由

「今日で全部終わらないんですか?」

という質問もよくいただきます。

歯ぐきの中のお掃除は、通常のクリーニングよりも細かい処置になります。

一度にすべて行うと、お口への負担が大きくなってしまうため、多くの場合は上下や左右に分けて進めています。

その方が一か所ずつ丁寧に処置でき、歯ぐきの回復もしやすくなります。


歯ぐきの検査も治療の大切な一歩

クリーニングの前には、歯ぐきの状態を確認する検査を行います。

ポケットの深さや出血の有無を確認することで、

  • 炎症が改善しているか
  • どこに磨き残しが多いか
  • 治療の効果が出ているか

を判断しています。

「チクチクする検査」は少し苦手という方も多いですが、今のお口の状態を知るためには欠かせない検査です。


歯磨きは「回数」より「当て方」

診療中によくお話しするのが、歯磨きについてです。

「毎日磨いているのに汚れが残ってしまう。」

そんな方は決して少なくありません。

その原因の多くは、歯磨きをしていないからではなく、歯ブラシの当て方にあります。

ほんの少し角度が違うだけで、歯と歯ぐきの境目には汚れが残りやすくなります。

そのため当院では、

患者さんそれぞれのお口に合わせて、

「ここはこう当てると磨きやすいですよ。」

「この場所は少し角度を変えてみましょう。」

というように、一緒に確認しながらお伝えしています。

歯磨きは自己流になりやすいものだからこそ、定期的に見直すことがとても大切です。


治療は「間を空けないこと」が成功のポイント

今回担当した患者さんにもお伝えしたことがあります。

「できるだけ間を空けずに来ていただけると、歯ぐきはもっと良くなります。」

歯周病治療は、一度きれいにして終わりではありません。

治療と治療の間が長く空いてしまうと、細菌は再び増え始め、改善していた歯ぐきも元の状態に戻ってしまうことがあります。

お仕事やご家庭の都合で難しいこともあると思いますが、できる範囲で継続して通院していただくことが、お口の健康を守る一番の近道です。


歯を失ったまま放置しないことも大切です

今回の患者さんは、以前に歯が抜けた部分の治療も予定されていました。

歯がない状態を長く放置すると、その部分だけの問題では済みません。

周りの歯が傾いたり、噛み合わせが変わったりして、将来的に治療が複雑になることがあります。

「痛くないから大丈夫」ではなく、「今のうちに治しておこう」という意識が、とても大切です。


最後に

歯周病治療は、単なる歯石取りではありません。

歯ぐきの状態を確認し、歯ぐきの中をきれいにし、ご自身では落とせない汚れを取り除きながら、毎日の歯磨きも少しずつ改善していく治療です。

私たちは処置をするだけではなく、患者さん一人ひとりが長く健康なお口を維持できるよう、一緒に考えながらサポートしています。

「最近クリーニングに行けていないな。」
「歯ぐきが気になるな。」

そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。

池尻大橋 一般歯科 小児歯科 矯正歯科 口腔外科 THE DENTAL

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