JOURNAL
食べ物が詰まる、口臭が気になる。実は歯周病が関係していることもあります
こんにちは。
THE DENTAL歯科衛生士の廣島です。
暑さや湿気が気になる季節になってきましたね。
この時期は、お口の中のねばつきや口臭が気になりやすくなる方も多く、クリーニングや歯周病のご相談をいただくことが増えます。
今回は、実際の診療の中で患者さんからご相談いただくことの多い、
「食べ物がよく歯に詰まる」
「フロスをすると痛いところがある」
「家族から口臭を指摘される」
というお悩みについてお話ししたいと思います。
一見すると別々の悩みに見えますが、実はその背景に歯周病が関係していることがあります。
食べ物が詰まるのは、詰め物だけの問題とは限りません
患者さんの中には、
「以前治療したところに、毎回食べ物が詰まる」
「詰め物をやり替えても、また同じように詰まる」
「えのきやニラなど、細いものが必ず挟まる」
という方がいらっしゃいます。
もちろん、詰め物や被せ物の形が合っていないことで食べ物が詰まりやすくなることはあります。
ただ、それだけではありません。
歯周病が進んで、歯を支えている骨が減ってくると、歯が少し動くようになります。
歯は完全に固定されているわけではなく、噛んだときにわずかに動きます。
その支えが弱くなっていると、歯と歯の間にすき間ができやすくなったり、噛んだときに歯が沈むように動いたりします。
そうすると、詰め物をきれいにやり替えたとしても、歯そのものが動いてしまうため、食べ物が詰まりやすい状態が残ってしまうことがあります。
つまり、食べ物が詰まる原因は、
「詰め物の形」だけではなく、
「歯周病による歯の揺れ」や
「歯を支えている骨の状態」も関係しているのです。
口臭の原因も、舌だけではありません
口臭が気になる方の中には、舌ブラシをしっかり使っている方も多いです。
今回の患者さんも、舌のお掃除はかなり意識されていました。
舌専用のブラシやスクレーパーを使い、奥から手前にやさしく動かすという基本的な使い方もできていました。
それでも口臭が気になる。
この場合、舌だけが原因ではない可能性があります。
口臭の原因は、いくつかあります。
たとえば、
食べ物のにおい、
胃の不調、
舌の汚れ、
そして歯周病です。
特に歯周病が進んでいる場合、歯ぐきの中に汚れや歯石が入り込み、そこで細菌が増えてしまいます。
歯周病の原因となる細菌は、独特のにおいを出すことがあります。
そのため、どれだけ舌を磨いても、歯ぐきの中に原因が残っていると、口臭が改善しにくいことがあります。
「舌は磨いているのに口臭が気になる」
という方は、一度歯周病の検査を受けてみることをおすすめします。
歯石は、歯ブラシでは取れません
診療中にお口の中を確認すると、下の前歯の裏側に硬い歯石がついていることがあります。
下の前歯の裏側は、唾液が出る場所に近く、歯石がとてもつきやすい部分です。
歯石は、もともとは歯垢です。
歯垢は、歯ブラシで落とせるやわらかい汚れです。
しかし、磨き残しが長く残っていると、唾液の成分と混ざって硬く固まります。
これが歯石です。
一度歯石になってしまうと、ご自宅の歯ブラシでは取れません。
さらに歯石の表面はザラザラしているため、そこにまた汚れがつきやすくなります。
その汚れが歯ぐきの炎症を起こし、出血や腫れにつながります。
歯ぐきが腫れている状態では、歯周ポケットも深くなりやすく、汚れがさらに奥へ入り込みます。
そして、歯ぐきの中で歯石ができると、表面についている歯石よりも硬く、取るのにも時間がかかります。
痛みが強い場合は、麻酔をして処置を行うこともあります。
歯周病は「治して終わり」ではなく「進行を止める」治療です
歯周病の説明で大切なのは、歯周病は一度治療したら完全に元通りになる病気ではないということです。
歯周病によって減ってしまった骨は、基本的には自然に元の高さまでは戻りません。
だからこそ大切なのは、
これ以上進まないようにすることです。
歯周病治療で一番大切なのは、毎日の歯磨きです。
歯科医院でどれだけしっかりクリーニングをしても、毎日の汚れが残り続けてしまうと、また炎症が起きます。
逆に、毎日の歯磨きが良くなり、歯科医院で定期的に歯石を取っていくことで、歯ぐきは少しずつ引き締まっていきます。
出血が減り、腫れが落ち着き、歯周病の進行を抑えやすい状態になります。
今回のように歯周病が進んでいる場合は、最初は1か月に1回程度のペースで通っていただくことがあります。
また、歯ぐきの中に歯石がある場合は、お口全体を一度に処置するのではなく、右上・左上・右下・左下というように、数回に分けて丁寧にクリーニングを進めていきます。
痛みが出やすい場合は、無理に進めず、必要に応じて麻酔を使いながら行います。
歯ぐきが下がるのは、悪くなったわけではないこともあります
歯周病治療を始める前に、必ずお伝えしておきたいことがあります。
それは、治療が進んで歯ぐきの炎症が落ち着くと、歯ぐきが下がったように見えることがある、ということです。
患者さんからすると、
「歯が長くなった」
「歯ぐきを削られたのではないか」
「治療したら見た目が悪くなった」
と感じてしまうことがあります。
しかし実際には、腫れてふくらんでいた歯ぐきが、炎症が落ち着いて引き締まった結果、本来の位置に近づいていることがあります。
歯が伸びたわけではありません。
歯ぐきが治って引き締まったことで、今まで隠れていた部分が見えるようになるのです。
もちろん、歯ぐきが下がること自体は患者さんにとって気になる変化です。
だからこそ、治療前にきちんと説明しておくことが大切だと考えています。
歯を抜かずに残すために、今できることを考える
歯周病がかなり進んでいる歯でも、すぐに抜歯と決めるわけではありません。
歯の根がしっかり残っている場合や、今後の管理によって保存できる可能性がある場合は、できるだけ残す方向で考えます。
場合によっては、詰め物や被せ物をやり替えるだけでなく、歯の揺れを抑えるために隣の歯と連結する被せ物を検討することもあります。
また、骨の状態によっては、歯周組織の再生療法を検討することもあります。
ただし、どの治療が適しているかは、レントゲンや歯周病検査、実際の歯の揺れ、噛み合わせ、患者さんの清掃状態などを総合的に見て判断します。
大切なのは、
「悪いところを一気に全部治す」
というよりも、
「原因を一つずつ整理して、できるところから改善していく」
ということです。
フロスをしている方ほど、原因に気づきやすい
今回の患者さんは、フロスを日常的に使われていました。
フロスをしていると、
「ここだけ引っかかる」
「ここだけ痛い」
「ここだけにおいが気になる」
という変化に気づきやすくなります。
これはとても大切なことです。
フロスが引っかかる場所には、虫歯があることもあります。
詰め物の段差があることもあります。
歯周病によって歯ぐきの中に問題があることもあります。
つまり、フロスをしていて違和感がある場所は、お口からのサインかもしれません。
「毎回同じ場所で引っかかる」
「フロスを入れると痛い」
「フロスににおいがつく」
このような場合は、早めにご相談ください。
まずは検査をして、原因を一緒に確認します
食べ物が詰まる。
口臭が気になる。
歯ぐきから血が出る。
フロスをすると痛い。
こうした症状は、患者さんにとって毎日のストレスになります。
ただ、原因は一つとは限りません。
虫歯なのか。
詰め物の問題なのか。
歯周病なのか。
舌や生活習慣の影響なのか。
それを確認するために、THE DENTALでは必要に応じてレントゲン撮影、歯周病検査、口腔内のチェック、クリーニングを行いながら、現在のお口の状態を一緒に確認していきます。
歯周病は、痛みがないまま進むことも多い病気です。
だからこそ、気になったタイミングで検査を受けることが大切です。
「しばらく歯医者に行っていない」
「歯石がついている気がする」
「家族に口臭を指摘された」
「食べ物がよく詰まる」
このような方は、一度お口全体のチェックを受けてみてください。
今の状態を知ることが、歯を守るための第一歩になります。
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