2026.08.09 診療コラム

まだ歯が生えていなくても歯医者に行っていい?離乳食が始まったら知っておきたい赤ちゃんのお口のこと

こんにちは。
池尻大橋の歯科医院「THE DENTAL」歯科衛生士の廣島です。

暑い日が続いていますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

今回は、院内での何気ない会話から出てきた、

「離乳食が始まる頃って、歯は何本くらい生えているんだろう?」

という話をきっかけに、赤ちゃんの歯が生え始める時期や、離乳食が始まった頃のお口のケアについてお話ししたいと思います。

赤ちゃんの歯については、

「まだ歯が生えていないから歯医者は関係ないかな」
「歯が何本か生えてから歯磨きを始めればいい?」
「いつから歯医者に連れて行けばいいの?」

など、意外と分からないことが多いのではないでしょうか。

生後7か月、歯が生えていなくても大丈夫?

赤ちゃんの最初の乳歯は、一般的には生後6〜8か月頃から生え始めることが多いとされています。

最初に生えてくることが多いのは、下の前歯です。

ただし、これはあくまで目安です。

生後7か月になってもまだ1本も生えていない赤ちゃんもいますし、反対に比較的早い時期から歯が見えてくる赤ちゃんもいます。

「同じ月齢の子はもう歯が生えているのに、うちの子はまだ……」

と心配になるかもしれませんが、歯が生えてくる時期にはかなり個人差があります。

そのため、生後7か月くらいでまだ歯が生えていなくても、それだけで過度に心配する必要はありません。

私自身、歯科衛生士として勉強してきたはずなのですが、院長のお子さんの話を聞きながら、

「7か月って、まだそんなに歯が生えていない時期なんだ」

と改めて実感しました。

教科書で覚えた知識と、実際の子育ての中で見る成長は、やはり少し違って感じます。

歯が生える前からお口のケアは始まっています

「歯がないなら、まだ何もしなくていいですよね?」

と思われるかもしれません。

もちろん、歯が生えていなければ「歯磨き」をする必要はありません。

ただ、これから始まる歯磨きを嫌がらないように、お口の周りを触られることに少しずつ慣れてもらうことはおすすめです。

例えば、お風呂上がりや機嫌の良い時間に、

・頬や口の周りを優しく触る
・唇を少しめくってお口の中を見る
・清潔な指で歯ぐきに軽く触れる

といった程度で十分です。

いきなり歯ブラシを入れて完璧に磨こうとするのではなく、

「お口を触られることは怖くない」

と覚えてもらうことが、最初のステップです。

離乳食が始まったら虫歯になる?

生後5〜6か月頃から、少しずつ離乳食を始めるご家庭も多いと思います。

離乳食が始まると、「虫歯も心配した方がいいのかな?」と思うかもしれません。

虫歯は単純に「食べ物を食べたからできる」というものではなく、歯の存在、口腔内細菌、糖質、時間など、さまざまな条件が関係して発生します。

つまり、まだ歯が生えていなければ、歯そのものに虫歯ができることはありません。

ただし、歯が生え始めたら少しずつケアが必要になります。

最初の1本が生えてきたら、いきなり大人と同じような歯磨きをする必要はありません。

まずは小さな赤ちゃん用歯ブラシなどを使いながら、短時間で優しく触れてあげるところから始めてみてください。

大切なのは、最初から100点の歯磨きを目指さないことです。

毎日少しずつ、

「歯ブラシがお口に入る」

という経験を積み重ねていくことの方が、その後の歯磨き習慣につながります。

赤ちゃんを歯医者に連れて行くのはいつから?

これもよく聞かれる質問です。

「虫歯ができてから」ではなく、最初の歯が生え始めた頃から歯科医院に相談していただいて構いません。

もちろん、その時点で治療をするわけではありません。

歯の生え方を確認したり、保護者の方に歯磨き方法をお伝えしたり、食事や飲み物についてお話ししたりすることが中心です。

そして、実はもう一つ大切なのが、歯医者という環境そのものに慣れてもらうことです。

大人でも、久しぶりに歯医者へ行くと少し緊張しますよね。

赤ちゃんや小さなお子さんであれば、なおさらです。

診療室の明るさ、チェア、スタッフのマスク、器具の音、機械の音など、初めて見るものばかりです。

虫歯ができて初めて歯医者へ行き、いきなり知らない場所で口を開けて治療を受ける。

これは子どもにとってかなり大きなハードルです。

そのため、何も問題がない時期から少しずつ歯科医院に来てもらい、

「今日はお口を見るだけ」
「今日は歯ブラシだけ」
「今日は上手にできたね」

という経験を積んでいくことには、とても大きな意味があります。

「歯医者の音に慣れる」ことも意外と大切?

院内で話していた時に、院長のお子さんについて、

「小さい頃から歯医者の機械の音に慣れていたら、将来怖がらなくなるのかな?」

という話になりました。

もちろん、毎日歯医者の音を聞かせれば歯医者嫌いにならない、という単純な話ではありません(笑)。

ただ、知らない場所・知らない音・知らない人に突然囲まれるよりも、少しずつ慣れていく方が受け入れやすいというのは確かだと思います。

THE DENTALでも、お子さんの診療では無理に治療を進めるのではなく、その子の年齢や性格、その日の様子を見ながら進めていきます。

最初はチェアに座れなくても大丈夫です。

お母さんやお父さんと一緒に診療室に入るだけでも、その子にとっては一つの経験です。

少しずつできることを増やしていきましょう。

子育てと歯磨きは「完璧じゃなくていい」

今回、院長と子育てについても少し話しました。

最近はお子さんをお風呂に入れる時も、以前より力が強くなって、足をバタバタさせたり、立とうとしたり、顔をつかんできたりするそうです。

話を聞いていると、とても大変そうなのですが、同時に楽しそうでもありました。

「大変だけど、その大変さも含めて楽しい」

という感覚なのかもしれません。

赤ちゃんの歯磨きも、少し似ているように思います。

昨日はできたのに今日は嫌がる。

口を開けてくれない。

歯ブラシを噛んでしまう。

眠くてそれどころではない。

毎日完璧にできるわけではありません。

特に小さなお子さんの場合、保護者の方が一生懸命になりすぎて、歯磨きの時間が親子ともにストレスになってしまうこともあります。

もちろん虫歯予防は大切です。

でも、1日うまく磨けなかったからといって、すぐに虫歯になるわけではありません。

長い目で見て、

「歯磨きをすることが当たり前になる」

ことを目標にしてみてください。

分からないことは歯科医院で聞いてください

初めての子育てでは、

「歯はいつ生える?」
「歯ブラシはいつから?」
「フッ素はいつから?」
「離乳食の後は毎回磨く?」
「夜間授乳は虫歯になる?」
「指しゃぶりは大丈夫?」
「歯並びはいつから気にした方がいい?」

など、次々に疑問が出てくると思います。

インターネットにはたくさんの情報がありますが、赤ちゃんの成長には個人差があります。

同じ7か月でも、歯が生えている子もいれば、まだ生えていない子もいます。

その子のお口を実際に見たうえでアドバイスできることもありますので、気になることがあれば定期検診の際などにお気軽にご相談ください。

虫歯ができてから歯医者に通い始めるのではなく、虫歯がない時から歯医者に慣れておく。

これは、お子さんにとって将来の大きな財産になると思います。

私も歯科衛生士として勉強してきた知識だけではなく、実際に子育てをしている患者さんや周りの方のお話を聞きながら、これからもっと学んでいきたいと思います。

お子さんの歯が生えてきた時には、ぜひ一緒に成長を見守らせてください。

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