2026.08.30 診療コラム

なぜ毎回歯磨きの話をするの?

こんにちは。THE DENTAL 歯科衛生士の廣島です。

歯医者さんでクリーニングを受けたときに、

「ここに磨き残しがありますね」
「歯ブラシはもう少しこう当ててみてください」
「フロスや歯間ブラシも使ってみましょう」

などと言われた経験はありませんか?

「クリーニングに来たのに、どうして歯磨きの練習をするんだろう?」

と思ったことがある方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、歯科医院で行う**TBI(歯磨き指導)**がなぜ大切なのか、歯科衛生士の立場からお話しします。

TBIとは?

TBIとは、**Tooth Brushing Instruction(トゥース・ブラッシング・インストラクション)**の略で、日本語では「歯磨き指導」という意味です。

ただし、単純に「歯の磨き方を教える」というだけではありません。

患者さんのお口の中を確認しながら、

  • どこに磨き残しが多いのか
  • 歯ブラシをどの角度で当てると磨きやすいのか
  • どのくらいの力で磨けばいいのか
  • フロスと歯間ブラシのどちらが適しているのか
  • 歯間ブラシならどのサイズが合っているのか
  • 被せ物やインプラントの周囲をどう清掃するのか

など、その方のお口に合わせたセルフケア方法を一緒に確認していくことがTBIです。

「毎日磨いている」と「きれいに磨けている」は違います

患者さんとお話ししていると、

「毎日ちゃんと磨いています」

という方はとても多いです。

もちろん、毎日歯磨きをすることは非常に大切です。

しかし、実際にお口の中を確認してみると、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目、奥歯の後ろ側などにプラークが残っていることがあります。

プラークとは、歯の表面に付着する白く柔らかい汚れです。

単なる食べかすではなく、たくさんの細菌を含んでおり、むし歯や歯周病の大きな原因になります。

しかもプラークは粘着性があり、うがいをするだけでは十分に取り除くことができません。

そのため、歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどを使って物理的に取り除くことが重要です。

染め出しをすると磨き残しがよく分かります

THE DENTALでは、プラークの「染め出し」を行います。

染め出し液を使用すると、普段は白くて見えにくいプラークに色がつきます。

すると、

「毎日磨いているのに、こんなところに残っていたんだ」

と驚かれる方も少なくありません。

特に残りやすいのが、

歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、奥歯、歯並びが重なっている部分などです。

染め出しの目的は、「磨けていない」と指摘することではありません。

自分自身の磨き方のクセを知っていただくことが一番の目的です。

毎日同じように歯を磨いていると、どうしても同じ場所を磨き残しやすくなります。

自分の苦手な場所が分かれば、次の日からそこを少し意識することができます。

これだけでもセルフケアは大きく変わってきます。

歯科医院のクリーニングだけでは不十分?

「定期的に歯医者でクリーニングしているから大丈夫」

と思われるかもしれません。

もちろん、定期的なクリーニングはとても大切です。

しかし、お口の中を毎日管理しているのは患者さん自身です。

例えば3か月に1回メンテナンスに来ていただいた場合、歯科医院で私たちがケアできるのはそのうちの1日。

残りの約90日は、ご自宅でのセルフケアになります。

そのため、歯科医院でどれだけきれいにクリーニングをしても、毎日のブラッシングでプラークが多く残ってしまえば、再び歯ぐきに炎症が起こる可能性があります。

歯周病の予防や治療では、患者さん自身によるプラークコントロールがとても重要です。

歯科医院で行うプロフェッショナルケアと、ご自宅で行うセルフケア。

この2つを組み合わせることが、お口の健康を長く維持するためには欠かせません。

歯ブラシだけでは届きにくい場所があります

しっかり歯ブラシを当てていても、歯と歯の間には毛先が十分に届かないことがあります。

そこで重要になるのが、

デンタルフロスや歯間ブラシです。

ただし、「とりあえず歯間ブラシを使えばいい」というわけではありません。

歯と歯の隙間の大きさや歯ぐきの状態、被せ物の形などによって、適した清掃器具は変わります。

特に歯間ブラシはサイズ選びも重要です。

小さすぎると十分にプラークを除去できないことがありますし、逆に大きすぎるものを無理に入れると歯ぐきを傷つけてしまう可能性があります。

TBIでは実際のお口の状態を確認しながら、その方に合った道具や使い方をご説明します。

歯磨きの方法はずっと同じではありません

実は、適切な歯磨き方法は一生同じとは限りません。

むし歯の治療をして被せ物が入ったり、歯ぐきが下がったり、歯並びが変化したり、インプラントが入ったりすることで、磨くときに注意する場所も変わります。

以前は歯ブラシだけで十分だった方でも、年齢やお口の状態によってフロスや歯間ブラシが必要になることもあります。

だからこそ、定期検診ではクリーニングだけではなく、今の磨き方が現在のお口に合っているかを確認することも大切です。

TBIは「注意するため」ではありません

歯科衛生士から、

「ここが磨けていません」

と言われると、少し注意されているように感じてしまう方もいるかもしれません。

ですが、TBIの目的は患者さんを注意することではありません。

私たちが大切にしているのは、

どうすれば今より簡単に、きれいに磨けるようになるかを一緒に考えることです。

歯並びも、歯ぐきの状態も、手の動かし方も人それぞれです。

そのため、「全員がこの磨き方をすれば大丈夫」という方法はありません。

実際に磨き残しを確認しながら、その方が続けやすい方法を一緒に探していくことが重要だと考えています。

毎日の歯磨きを少しだけ変えてみませんか?

むし歯や歯周病を予防するためには、歯科医院での定期的なメンテナンスだけではなく、毎日のセルフケアがとても重要です。

「ちゃんと磨いているつもりなのに、いつも同じところを指摘される」

「フロスを使った方がいいのか分からない」

「歯間ブラシのサイズが合っているか分からない」

「電動歯ブラシを使っているけれど、正しく使えているか不安」

そんな疑問があれば、ぜひメンテナンスの際に歯科衛生士へご相談ください。

一度染め出しをしてみると、ご自身では気づかなかった磨き方のクセが見つかるかもしれません。

毎日行う歯磨きだからこそ、少し磨き方が変わるだけでも、その積み重ねは大きな違いになります。

THE DENTALでは、患者さん一人ひとりのお口の状態に合わせたセルフケアをご提案しています。

これからもご自身の歯で食事を楽しんでいただけるよう、私たち歯科衛生士がサポートしていきます。

池尻大橋 一般歯科 小児歯科 矯正歯科 口腔外科 THE DENTAL

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