2023.12.12 診療コラム

黒色色素産生菌って?

序論

さあ皆さん、覚悟はいいですか?
今からあなたのお口の中に居座る「黒色色素産生菌」について語りましょう。 実際のところ、黒色色素産生菌は細菌の一種で、歯や歯茎に黒色の色素を沈着させる特性を持ちます。しかし不思議なことに、多くの人々がこれを虫歯や歯周病の原因と勘違いしています。
おいおい、そんなことある?と思うかもしれませんが、実はこの菌は虫歯とは全く異なる菌で、黒い着色をつけるだけで、虫歯のリスクが増えるわけではないんです。

黒色色素産生菌の原因

黒色色素産生菌の原因について考えてみましょう。それは、食物の色素と関係があると思われています。しかし、一方で口腔内の細菌による着色もあります。驚くべきことに、私たちの口の中は、彼ら細菌にとっては、まさに理想的な生息地なんですね。

子供たちにとって、暗くなっても怖くないように、口内の環境について理解することが重要です。悪名高き黒色色素産生菌が子供の口の中に住む主な理由は、子供たちが毎日のように食べるスイーツやチョコレートがもたらす環境です。更に、温暖な気候や高湿度の環境も菌の生育を助けます。だから、あなたの子供が雨季に突然「ママ、僕の歯が黒くなってきた」と言ったら、それはきっと、家の中が黒色色素産生菌達のビーチパーティーになってしまったからかもしれませんね。

子供に黒色色素産生菌が見られる理由

お子様の口腔において、まるで不思議な宇宙の黒い穴のように見える黒色色素産生菌。なんで出現するのかって?これはお子様の口腔環境と密接に関係しています。いつもと違うおやつ量や、近々お祝いごとがあったとか。えっ、生活習慣は大丈夫?それなら恐らくは気候や環境の影響かもしれませんね。うーん、確かに冷静に考えてみたら、毎年冬になると冬眠から起きたくないくらいに寒さを感じますよね。もしかすると、黒色色素菌も私たちと同じく、心地よい環境を求めて口腔の中に定住したのかもしれません。逆に考えると、黒色色素産生菌は気が利くハウスメイトのようなもので、我々が快適な環境を整えることで彼らから家を守ることができるのかもしれませんね。

黒色色素産生菌と虫歯・歯周病との関係

のっけから衝撃的な話を持ってきますが、「口の中でパーティーを開いている黒色色素産生菌」って「虫歯」には一切関係ないんです。まさに「黒い紳士」が丁寧に歯に着色しているだけで、最悪な宴会の後始末はニョキニョキ育つ虫歯菌の専売特許。面白いですね、菌界もキチンと区分けがあるってこと。

しかし、虫歯には無関係でも、「歯周病」には繋がりがあるので見逃してはいけませんよ。ですが、大人気の出たばっかりのスーパースター「Pravotella Nigrescens」は、歯周病の主役「Porphyromonas Gingivalis」ほどのパワフルさは持っていませんから、ちょっと一息ついても大丈夫。ただし、変な自信に身を任せて放っておいたら、黒騎士が歯周病の道へとお誘いしてしまうかも。プロアクティブに対策しましょう。

黒色色素産生菌の予防と対策

さて、黒色色素産生菌の予防と対策については、オーラルケアのヒーローたち、つまりは正しい口腔衛生管理と定期的な歯科医院での専門的な清掃が必要なのです。口腔衛生管理の基本は一日二回のブラッシング。口内に菌のパーティーを開かせないように、自宅でのブラッシングとフロスは最低限のマナーだと思ってください。

また、定期的な歯科医院での清掃は、黒色色素産生菌が隠れて住み着く歯間や歯周ポケットの掃除だけでなく、着色の除去もしてくれます。また歯科医師による詳しいチェックはブラッシングミスを無くす事につながります。

結論

さて、我々のお口の中のダークヒーロー、黒色色素産生菌について語った我々の情報満載な旅の終わりに差し掛かります。しかし、忘れてはならないのがその予防と対策の重要性。基本的な口腔衛生を保ち、定期的に歯医者さんに口の中をチェックしてもらうだけで十分。あっという間に、あなたもあなたの口の中も元通りの明るさに戻るはずです。

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