2022.02.22 医院コラム

ツラい知覚過敏

ツンと痛い

まだまだ寒さが続く2月ですね。

外の気温にともない、水道からの水もとても冷えています。
歯磨きをするときや口を濯いでいるとき、ツンと染みるように痛いと感じたことがある人もいると思います。

歯ブラシの毛先が歯に触れたり、冷たい物・甘い物を食べたり飲んだりしたとき、冷たい風が当たったときなど、頻繁に染みる痛みを感じることが”知覚過敏”の症状です。

なぜ染みるのか

歯は表面をエナメル質で覆われています。
エナメル質自体は硬く、染みたり痛みを感じることはありません。
エナメル質の下にある象牙質は柔らかく、冷たいものや熱いものに触れると刺激が内部の神経に伝わり痛みを感じます。

なんらかの理由でエナメル質が薄くなっていたり象牙質が露出すると、刺激が神経に伝わりやすくなり知覚過敏の症状を引き起こします。

・歯肉の退縮
歯茎の位置は加齢や歯周病により下がっていきます。
下がることでエナメル質で覆われていない歯の根が露出し、象牙質がむき出しになってしまいます。
またその根が露出している歯を強い力で歯磨きしてしまうと、象牙質が削れ薄くなってしまいます。

・食生活により歯が溶けてきている
エナメル質は酸性の状態が長く続くと溶けてきてしまいます。
強い酸性のものを長時間食べたり飲んだりを続けると、お口の中の酸性状態が続き、エナメル質が溶けて表面が象牙質に近くなって刺激を感じやすくなります。

・歯がすり減ってきている
毎日歯を使っていれば、とても僅かですが歯はすり減っています。
特に歯ぎし・食いしばりが強い方は、象牙質が露出するほどにすり減っている場合があります。

・歯の破折
打撲などにより歯が破折して象牙質が露出してしまうこともあります。
また残っている歯に亀裂が入っていることがあり、神経の部分に刺激がダイレクトに伝わってしまいます。

知覚過敏への治療

・高濃度フッ素塗布
高濃度のフッ素を塗布する、フッ化バーニッシュです。
フッ素には歯の再石灰化を促す効果があり、それによって象牙質の微細な空隙を封鎖して刺激が伝わるのを抑えるものです。

・硝酸カリウム入りの歯磨き剤
知覚過敏では歯の神経が受けた刺激を、痛いという信号で中枢に伝達することで痛いと感じます。
この信号を抑え神経を興奮させないようにするというものです。
カリウムイオンによって歯の神経細胞が興奮しにくくなるのです。
なので硝酸カリウム入りの歯磨き剤を継続的に使うことで、改善効果が見られています。

・露出している部分を被覆する
歯の根の露出部分に耐酸性効果のある薬剤で被覆し、症状を抑制します。
多くの場合に即効性が見られ、何度か塗布することで効果が高まります。

予防するためには

健康な口腔内であっても、加齢によるある程度の歯肉の退縮は避けることができません。
ですが適切な清掃習慣や食生活に気をつけることで、知覚過敏だけでなく虫歯や歯周病の予防になります。

また軽度の知覚過敏であれば、治療により時間が経つことで症状がなくなることもあります。

知覚過敏の症状は虫歯の症状にも似ているため、「変だな?」と違和感を感じたら早めに歯医者へ受診することをおすすめします。

歯科衛生士 小川

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