2022.04.24 診療コラム

あなたはどのような選択をなさいますか?

皆様こんにちは。歯科衛生士の八田です。

本日は虫歯治療において行われる『インレー・アンレー』と呼ばれる修復治療についてご説明いたします。
この治療は型取りをして、それをもとに技工士さんが模型上でぴったり合う詰め物を作るため、最短2回かかります。
回数はかかりますが、より精度の高い詰め物になります。
材質によって種類がいくつかございますのでご説明していきます。

【銀歯】
保険適応の金属の詰め物です。
安価で割れたりしないですが、見た目や金属アレルギーのリスクなどがあります。
また、銀歯とご自身の歯の境目から徐々に隙間ができやすいため、2次カリエスのリスクが非常に高く、寿命は約5年と言われています。

【CAD/CAM】
CAD/CAMという白い詰め物ですが、2022年4月から部位によっては保険でも適応になりました。
3Dスキャナーでスキャンしたデータを元にコンピューターが設計し、その設計データを基にブロックを削り出し作製します。セラミックとレジンを合わせた材料ですが、レジンを含むため、セラミックより強度は劣り、割れやすくなります。
噛み合わせが強かったり、歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合はより割れるリスクが高まります。
また、レジンを含むため、セラミックに比べるとマットな白さで、経年劣化により徐々に変色しやすくなります。

【高強度フィラー含有レジン】
従来のコンポジットレジンにナノレベルのガラス繊維をたくさん詰め込むことで、従来の樹脂よりもはるかに強度があります。
「CAD/CAM」との大きな違いは、技工士さんが模型上で手作業で作っているため、より精度の高い詰め物となります。ただし、レジンを含むため、セラミックより強度は劣り、割れやすくなります。
噛み合わせが強かったり、歯ぎしり・食いしばりの癖がある場合はより割れるリスクが高まります。
また、セラミックに比べるとマットな白さで、経年劣化により徐々に変色しやすくなります。

【ハイブリッドセラミックス】
裏がレジンで表がセラミックでできています。
90%セラミックを配合していて、強度・審美性は極限までセラミックに近い材料となります。
高強度レジンよりも耐久性を良くしたい方や、オールセラミックよりリーズナブルな治療がしたい方におすすめです。

【次世代e.maxセラミックス】
天然歯に最も近い性質と、自然で圧倒的な透明感があります。
分子レベルで化学的に結合することで隙間ができることがありません。そのため、外れるリスクや隙間から虫歯になるリスクを大幅に低減します。
ちなみに、研究により10年生存率は96.2%とも証明されています!

【ジルコニアダイヤセラミックス】
人工ダイヤモンドともいわれるように審美性だけでなく、強度やお口の中での安定性も優れています。
ジルコニアの大きな特徴で、力が加わりジルコニアに亀裂が走りそうになっても、ジルコニア自体が変化することで亀裂の伝搬が回避されるという機構があります。
そのため、咬合力の強い場所には最適な材料となります。
e.maxに比べると、マットな白さになります。

【金歯・ゴールド】
保険適応の銀歯と比べて、細菌の出す酸によって金属が溶けることはありません。
また隙間などができる可能性が非常に低く、虫歯の再発もほとんどありません。金属アレルギーのリスクも低く、天然歯に近い性質のため、歯へのダメージが最小限で抑えられます。
金属が溶けないため、溶け出したイオンで歯ぐきが黒く変色する事もありません。

【白金加金・プラチナゴールド】
金属の中では非常に安定した性質を持つ白金と金を混ぜ合わせた詰め物です。
保険適応の銀歯と比べて、細菌の出す酸によって金属が溶けることはありません。
また隙間などができる可能性が非常に低く、虫歯の再発もほとんどありません。
金属アレルギーのリスクが最も少なく、少し硬い金属のため、強度が必要な部位や摩耗しやすい部位でも心配は要りません。
金属が溶けないため、溶け出したイオンで歯ぐきが黒く変色する事もありません。

以上になりますが、種類が沢山あり、何にするか悩まれる方も多いです。
当院では、どの材質にもこだわりを持ち、ご提供させていただいております。
気になることがあればいつでもご相談ください。

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