2023.11.08 診療コラム

高周波治療とは?

皆様こんにちは。
本日は歯科で行われる高周波治療についてご説明いたします。

高周波治療とは

高周波治療は、電気を利用した医療技術で、電流を患部に通電することで治療効果が期待されます。この方法は、細菌や病原体を効果的に除去し、炎症や感染を抑制する力を持ちます。さらに、高周波は、組織や細胞の再生力を高める効果があるため、急速な治癒を促進します。高周波治療の利点は、痛みの軽減、治療時間の短縮、感染予防などが挙げられます。

歯科治療における高周波の応用

歯科治療において、高周波は幅広く応用されています。虫歯治療では、高周波を利用して虫歯の除去やルーターの停止を行い、痛みを軽減したり、治療時間を短縮することができます。根管治療や歯周病治療では、高周波で細菌の除去や殺菌効果があり、炎症や感染を抑制し、再発予防にも効果的です。また、インプラント治療においても、高周波は治癒の促進や痛みの軽減に役立ちます。さらに、高周波は、口腔外科や顎関節症治療でも、治療時間の短縮や感染予防が可能です。

治療中の痛み軽減と高周波の活用

治療中の痛み軽減は、患者にとって非常に重要な要素です。高周波治療は、痛みを軽減するために歯科治療で活用されています。痛みを感じる原因である神経に対して高周波が作用し、その痛みを和らます。また、高周波は口内の組織の再生力を高めるため、治癒が早まり、痛みが短期間で軽減されます。治療を受ける患者さんは、痛みが少なく、治療時間も短くて済むため、高周波治療を選択する人が増えています。

高周波歯科治療における治療例

高周波歯科治療は、歯や歯周組織に関連する様々な症状へのアプローチに効果的です。具体的な治療例としては以下のようなものが挙げられます。

– 歯の虫歯治療: 高周波を用いた電気的な方法で歯の表面を溶解し、虫歯を除去する。これにより、神経や歯肉に与える負担が軽減される。

– 根管治療: 歯の根の部分にある神経や組織を取り除く際に、高周波殺菌による消毒と熱で組織を滅菌する。

– 歯周病の治療: 歯周ポケット内の炎症や感染を防ぐため、高周波で細菌を殺菌する。

– 口腔外科やインプラント治療: 高周波による局所麻酔や手術部位の消毒が可能であるため、術後の痛みや腫れが緩和される。

これらの治療例からも、高周波歯科治療が幅広い診療領域で活用されていることがわかります。

当院で行なっている高周波治療

〜高周波モジュールで行う根管治療〜

神経を抜いた後の痛み、改善しない根の先にある膿、物理的な機械の限界、根の外の病原因子…
神経を抜いた後の問題として、痛みが消失しないことや、一度でも治療された歯の再治療は成功率が著しく低くなってしまうこと、そもそも治療器具が物理的に尖端まで届かないことなど、根の治療をする上で多くの細菌と課題が取り残されています。
また、運よく綺麗に根の中が見えたとしてもマイクロスコープレベルでは細菌を確認することなど不可能です。
見えない根の中から分岐した枝、そして根の外の不良肉芽からセメント質のバイオフィルムにアプローチができる唯一の機材が高周波モジュールです。

一般的な細菌や微生物は、約120℃でほとんどが死滅します。
高周波モジュールは根の中の薬剤に高周波電流を流すことで約350℃から最大2600℃の高熱を発生させます。
これにより、細菌を凝固変性させて死滅させる、今までとは全く異なるアプローチです。
これを行うことで、物理的に治療器具が届かない場所や、薬剤が到達しにくい側枝や根の外のバイオフィルムまで、広範囲に渡り細菌を死滅させる事が可能になりました。

高周波モジュールによる殺菌効果は根管洗浄剤の次亜塩素酸ナトリウムの効果約30倍。
通常、根っこの管の洗浄に用いる次亜塩素酸ナトリウムは、酸化力による抗菌作用があります。
その次亜塩素酸ナトリウムを根管に満たした状態で高周波モジュールを通電すると、急速に酸素が発生し酸化力が倍増。
高温による細菌の死滅と同時に、化学的にも細菌を死滅させます。

まとめ

高周波モジュールは今までの根管治療とは全く異なり、高温で細菌を凝固させる治療法です。
これは治せない。そんな歯でも高周波モジュールなら治せる可能性があります。
いつでもご相談お待ちしております。

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